理学療法士みっちのつぶやき

理学療法士をしています。いろいろ役立つ情報をアウトプットしていきます。

リハビリ拒否にあったときにどうするか?

こんにちは。理学療法士のみっちです。

今回はリハビリ場面において時々遭遇する「リハビリ拒否」について考えてみたいと思います。

 

 

1.リハビリを拒否されるって?

 読んで字のごとく、リハビリをする事を拒否される状態です。いろいろな理由でリハビリをさせてもらえない状態をいいます。

2.患者側の要因

 患者側の要因として、認知機能低下(認知症)、精神疾患、せん妄、不穏、金銭、性格など多数の要因があると推察されます。

3.セラピスト側の要因

 拒否される場合のセラピスト側の要因として、多くは態度や言葉遣いなど接遇面が多いと思います。あとは時間を守らなかったなどが考えられます。

4.ケース別対策

4.1 認知機能低下がありリハビリを拒否する

 認知機能低下、いわゆる認知症を有する患者さんにリハビリを拒否される事は臨床的にはよくある事だと思います。特に攻撃的な性格の方は介入が難しい場合があります。自分もリハビリに行って声掛けするだけで暴言を浴びせられた事が何度もあります。しかし、ここで引き下がるわけにはいきません。

 まずは、リハビリをするというよりも、患者さんと話しをしてみましょう。会話の中からリハビリにつながりそうな話題を探していきます。

 会話もしてくれない場合もあるかと思います。その場合は、リハビリできなくてもいいので、1日に何度か訪室してみます。挨拶だけでもいいですし、簡単な雑談だけでかまいません。何度か訪室している内にだんだん信頼関係ができて、リハビリができるようになる場合があります。

 どうしても難しい場合は、医師や看護師に協力してもらったり、試しに担当者を変更して様子をみてみる事もよいかと思います。

4.2 認知機能低下はないがリハビリを拒否する

 これもたまにあるケースですが、リハビリ自体に理解を示さない場合です。多くは医師からの説明があまりされていない状態でリハビリに行ったときに「そんな話は聞いていない」とか「リハビリなんてしなくて大丈夫」というパターンかと思います。

 とりあえず問診と簡単な評価をさせてもらい、特に運動器のやADLに問題ないと判断できる場合は、まずは自主練習の指導をしてみます。医師から説明を再度してもらう事で理解していもらい、リハビリ拒否が無くなる場合もあるので、医師に連絡して説明してもらう事も考えます。

 一番困るのはリハビリが絶対必要だがリハビリを拒否される場合です。その場合はまず、なんでリハビリをしたくないのかをよく聞いてみる事です。「体がきついから」「熱があるから」「なんとなくやりたくないから」など理由は様々だと思います。

 また、リハビリに抱いているイメージが「きつい」「痛い」など負のイメージを抱いている方もいます。まずは、患者さんの今の状況でどのようなリハビリができるのかをよく説明する事だと思います。その中で、1段くらいハードルを下げた内容でリハビリをする事を提案してみましょう。前述したように、何度か訪室している内に少しずつリハビリができる様になる事もあります。

 しかし、取り付く島もない方も中にはいますので、前述のように医師からリハビリの必要性についてしっかり説明してもらう、あるいはリハビリ時に医師に同席してもらう事も必要になるかもしれません。

4.3 精神疾患を有している場合

 主にはうつ病統合失調症などが臨床でよく出会う状態と思います。うつ病の場合はやはり声掛けの仕方に注意します。この場合も中々リハビリ意欲が上がらない事が多いと思いますが、まずはできるところからのリハビリを行います。時にはきが乗らなかったり、やりたくないと言われる事もあるかもしれませんが、無理強いをせずに患者さんのペースに合わせる事が大事になるかと思います。

 もちろん薬のコントロールがついているという前提ですので、そのあたりがうまくいっていない様であれば、まずはそちらを医師と相談してみましょう。

4.4 一時的な原因(せん妄・不穏)の場合

 これも臨床あるあると思いますが、特にせん妄に関してはやはり離床を進めてなるべく1日のリズムを付ける事がせん妄の回復に重要だと思いますので、多少拒否されても車椅子などに移乗して、部屋から出る事がまず第1歩になります。

 不穏はどの程度不穏になっているかにもよりますが、安全が確保できて、医学的に動いて大丈夫なのであれば、なるべく本人の訴えを聞いて動かしていく事が大切だと考えます。多くは抑制されていたり、動きたいのに動かしてもらえない、トイレに行きたいのに行けない、などだと思います。リハビリ中は抑制を外し、トイレに行きたいのであればトイレに連れて行ったり、歩きたいのであれば介助して歩いたり、可能な事をしてみます。そうする事で不穏が落ち着くケースもあります。ただ、暴れていて安全が確保できないと判断される場合は、リハビリを断念する事もあります。

4.5 金銭的な問題

 これはそう多くない理由になるかもしれませんが、リハビリ費用が気になってリハビリを受けたくないと言われるケースです。この場合はまず、患者さんのリハビリがどのくらいしたらいくらぐらいの自己負担になるのかを説明する事です。場合によっては医事の方た医療クラークに説明をしてもらう事もあります。費用の面がクリアできれば多くはリハビリができる事がほとんどです。動きやADLに問題ない方は自主練習指導で経過を見る事も可能かもしれません。

4.6 身体的な理由(発熱・疼痛・倦怠感など)

 一時的な発熱や術後疼痛、倦怠感などでリハビリを休みたいと言われる事があると思います。これもケースバイケースになりますが、まずはリハビリの開始基準や中止基準に該当しているかどうかを考えます。もし基準にひっかかっているのであれば、リハビリを見合わせてよい状況、という事になります。

 基準には引っかかってないけど上記理由で拒否される場合は、私の場合は長い目でみて今日1日休んで特に問題ない場合はリハビリを休みにする事が多いです。無理やりその1日リハビリした所で最終的に得られるアウトカムに差がなさそうであれば、信頼関係を損ねる可能性のある選択肢はとらない方がいいと思うからです。このあたりは難しい判断になるかと思います。例えば離床は中止して、ベッド上でのROM-exや筋力トレーニング程度に留めたりする場合もあります。

5.まとめ

 今回はリハビリ拒否にあったときにどうするかをまとめてみました。あくまで個人的な意見になりますが、参考になればうれしいです。

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